プラセンタは安全なのか?安全なプラセンタの選び方

健康

プラセンタ(胎盤)製品は美容や健康目的で使用されることが多いですが、その安全性についての議論は多く、さまざまな視点から検討されています。この記事では、プラセンタ製品の利点とリスク、そして発がん性に関する現行の知見を包括的に紹介します。

そもそもプラセンタとは?

プラセンタとは、哺乳類の胎盤から抽出される成分を指します。胎盤は妊娠中に形成される臓器で、母体から胎児に酸素や栄養を供給し、胎児の老廃物を排出する役割を果たします。歴史的には、プラセンタは古代エジプトや中国で薬として利用されてきました。現代では、美容製品やサプリメントとして広く使用されています。

プラセンタとはどんな成分が含まれている?

プラセンタには、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、酵素、成長因子など、多様な栄養成分が豊富に含まれています。

  • アミノ酸: 細胞の修復や新陳代謝を促進します。特にロイシン、リジン、バリンなどの必須アミノ酸が含まれ、美肌や健康の維持に重要な役割を果たします。
  • ビタミン類: ビタミンB群やビタミンC、D、Eなどが代謝の促進や抗酸化作用を持ち、肌の健康を保つために欠かせません。
  • 成長因子: 上皮細胞増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、インスリン様増殖因子(IGF)などが含まれ、細胞の増殖や修復をサポートします。

プラセンタの栄養成分は自然由来

プラセンタには、特にヒト、豚、馬の胎盤が使用されます。ヒト由来のプラセンタは医療機関で使用されることが多く、更年期障害や肝機能障害の治療に用いられます。豚や馬由来のプラセンタは、美容製品やサプリメントとして市販されており、これらの成分も同様に高い効果を発揮します。

プラセンタの自然由来の栄養成分は、体に必要な栄養素をバランス良く補給し、健康維持や美容に大きな効果をもたらします。これらの成分が豊富に含まれているため、プラセンタは美容や健康に欠かせない成分となっています​

プラセンタの薬理作用

プラセンタには多岐にわたる薬理作用が認められており、美容や健康に多くの効果が期待されています。

  1. 免疫機能を強化
  2. 基礎代謝の向上
  3. 自律神経のバランスを整える
  4. 肝臓の機能向上、解毒作用の強化
  5. 抗炎症作用
  6. 活性酸素の除去作用
  7. 血行促進と造血作用の促進

これらの作用により、プラセンタは美容だけでなく、健康維持や疾病予防にも役立つとされています。

プラセンタの危険性とリスク

プラセンタはその効果が注目される一方で、いくつかの危険性も指摘されています。

プラセンタ注射と感染症のリスク

プラセンタはヒトや動物の胎盤から抽出されるため、製造過程での厳格な品質管理が不可欠です。特にヒト由来のプラセンタは、B型肝炎、C型肝炎、HIVなどのウイルス感染のリスクが伴います。信頼性の高い製品では、ドナーの健康状態を厳密にスクリーニングされ、感染症のリスクが低いとされています。しかし、品質管理が不十分な製品では感染症のリスクが高まる可能性があるので、信頼できるメーカーの注射薬剤を選んでほしいです。

プラセンタ注射とアレルギーのリスク

プラセンタ注射には多くのタンパク質が含まれており、これがアレルギー反応を引き起こす可能性があります。具体的な症状としては、注射部位の赤み、腫れ、かゆみ、発疹、吐き気、寒気などが報告されています。

プラセンタ注射を受ける前には、医師に自身のアレルギー歴や健康状態について相談することが重要です。特に過去にアレルギー反応を起こしたことがある人は、プラセンタ注射を受ける際には十分な注意が必要です。​

プラセンタと発がん性

プラセンタには多くの栄養素と成長因子が含まれており、これが細胞の再生や修復を促進します。この特性は美容や健康において有益とされる一方で、がん細胞の増殖を助長する可能性があるのではないかという懸念もあります。しかし、これに関する具体的なデータは不足しており、現時点では直接的な関連性は確認されていません​。

プラセンタと妊娠

妊娠中に使用する場合の安全性については明確なエビデンスが不足しています​。ただ、妊娠中の体は通常よりも敏感であるため、プラセンタ製品の利用に対しては慎重になるべきです。胎児にもアレルギーや感染症を与える可能性があるかもしれません。医師のアドバイスを仰ぐことが推奨されます​ 。

プラセンタ使用時の注意点

プラセンタを安全に使用するためには、いくつかの注意点を守る必要があります。

異常を感じたらすぐに使用を中止する

プラセンタを使用して異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談することが重要です。

服用中の薬との飲み合わせに注意する

プラセンタ製品には、成長因子やホルモン様物質が含まれているため、他の薬と併用する際には注意が必要です。以下の点に留意しましょう。

ホルモンバランスを調整する薬との併用

プラセンタ製品に含まれる成分はホルモンバランスに影響を与えることがあります。そのため、ホルモン補充療法や避妊薬などのホルモンバランスを調整する薬と併用すると、予期しない反応やホルモンの過剰摂取が発生する可能性があります。これにより、副作用や効果の変動が生じることがあります。

免疫抑制剤との併用

免疫抑制剤を服用している場合、プラセンタには免疫機能を強化する成分が含まれており、免疫抑制剤の効果を妨げる可能性があります。特に臓器移植後の患者や自己免疫疾患の治療中の患者は、医師の指示を厳守することが重要です。

肝臓酵素への影響

プラセンタ成分が肝臓の酵素に影響を与え、薬物の代謝に変化をもたらすことがあります。これにより、服用中の薬物の血中濃度が変動し、効果が減少したり、副作用が増加することがあります。肝臓で代謝される薬物(例:一部の抗うつ薬、抗てんかん薬、抗生物質など)を服用している場合、特に注意が必要です。

 

プラセンタ製品を服用する前には、必ず医師に相談し、現在服用中の薬との相互作用について確認することが重要です。

プラセンタ注射を受けた場合の献血制限について

プラセンタ注射を受けた場合、献血が制限される理由は、理論上の感染リスクを完全に排除できないためです。具体的には、プラセンタ注射に使用されるヒト由来の胎盤エキスには、クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)などの感染リスクが否定できないため、予防的措置として日本赤十字社はプラセンタ注射を受けた人の献血を無期限に制限しています​ ​。

この措置は、輸血を受ける人々の安全を確保するための予防的な措置です。これは、プラセンタ製品が適切に管理されていても、未知の病原体が含まれる可能性を完全に排除することができないためにあります。​そのため、プラセンタ注射を一度でも受けたことがある人は、将来的に献血を行うことができません​。

プラセンタの選び方

プラセンタ製品を選ぶ際には、品質の高いものを選ぶことが重要です。以下のポイントを参考にしてください:

原材料をチェックする

一般的に、プラセンタ製品にはヒト、豚、馬、羊の胎盤が使用されています。

ヒト由来のプラセンタの場合

日本国内で正常分娩された胎盤を使用し、厳しい感染症検査を経ているため、安全性が高いと言えます​​。

豚プラセンタの場合

SPF豚(特定病原体不在豚)由来のものが特に安全性が高いです。SPF豚は、特定の病原体を持たないように厳格な管理下で飼育されており、これにより安全性が確保されています。

馬プラセンタの場合

馬が高い体温を持つため、寄生虫や感染症のリスクが低いとされています。通常、サラブレッドなどの血統が明確な馬から採取され、厳格な飼育管理下で育てられているため、品質が保証されています​​。

羊プラセンタの場合

特にオーストラリアやニュージーランド産であると、これらの地域でBSE(狂牛病)のリスクが低いため安全性が高いとされています​​。

製造過程をチェックする

製品がGMP認証を受けた工場で製造されているかを確認することが重要です。GMP認証は、製品の品質と安全性を確保するための国際的な基準であり、全工程で厳格な管理が行われていることを示します。

高濃度成分が入っているのかチェックする

プラセンタの効果を最大限に引き出すためには、高濃度の成分が含まれている製品を選ぶことが推奨されます​。成分表示は、含有量が多い順に記載されているため、リストの上位にプラセンタエキスが記載されている製品を選びましょう。次に、純度の高さを確認します。プラセンタエキスの含有量が具体的に記載されている製品は、信頼性が高いとされています。例えば、「プラセンタエキス純末○○%」といった具体的な表示があると安心です​。

認証マークの有無をチェックする

日本健康・栄養食品協会(JHFA)の認証マークは、厳格な品質管理と安全性試験をクリアした製品に付与されます。JHFAマークなど、信頼できる認証を受けている製品を選ぶことも安全性の確保につながります​。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

プラセンタの利用方法は、注射だけでなく、サプリメントやドリンク剤、化粧品など、さまざまな形で取り入れることができます。これらの方法は、注射に比べてリスクが低く、手軽に利用できるため、初めてプラセンタを利用する人におすすめです。

 

 

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