食物繊維の効果ってすごいのに、日本人の多くが十分な食物繊維を摂れていないんです。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」によると、成人の目標量は1日あたり男性21g以上、女性18g以上です。
でも、日本人の1日あたりの食物繊維摂取量の平均は以下の通りなんです:
- 男性:15.1g/日
- 女性:13.4g/日
(「国民健康・栄養調査」の2021年調査より)
これを見ると、男女ともに目標量に届いていないことがはっきりわかりますね。食物繊維をもっと取ってほしい!だってもしかしたら、あなたの悩みは食物繊維をとれば改善するかもしれないから。
まずは、食物繊維の種類と特徴について
食物繊維の種類と特徴
- 不溶性食物繊維:
- 水に溶けず、そのまま体内を通過
- 主な効果:便のかさ増し、便秘解消
- 例:セルロース、リグニン、ヘミセルロース
- 水溶性食物繊維:
- 水に溶けてゲル状になる
- 主な効果:コレステロール低下、血糖値調整
- 例:ペクチン、β-グルカン、ガム類
- 発酵性食物繊維:
- 腸内細菌によって発酵される
- 主な効果:腸内細菌叢の改善、短鎖脂肪酸の産生
- 例:イヌリン、フラクトオリゴ糖(FOS)、レジスタントスターチ
コレステロール値の改善を狙うなら水溶性食物繊維
コレステロール値が気になる方にとって、食物繊維は強い味方になります。特に水溶性食物繊維の効果が注目されています。
水溶性食物繊維の働き
水溶性食物繊維は、消化管内でゲル状になり、コレステロールを吸着します。これにより:
- コレステロールの再吸収を阻害
- 胆汁酸の排出を促進(体内コレステロール減少につながる)
- 腸内細菌による短鎖脂肪酸の産生(コレステロール合成を抑制)
水溶性食物繊維でコレステロールが10㎎/dlくらい下がる?
水溶性繊維であるオオバコ摂取による実験です。
オオバコ(サイリウム)の中央値投与量は約10.2 g(※およそ7-8 gの食物繊維に相当)、期間は3週間以上の実験です。
結果は?
2.LDLコレステロールが約13 mg/dLの低下(P < 0.00001)
3.非HDLコレステロールが約15 mg/dLの低下(P < 0.00001)
食物繊維は満腹感UPでダイエットに良い効果
ダイエット中の方にとっても、食物繊維は興味深い選択肢になりそうです。
満腹感のメカニズム
- 胃内容物の増加:食物繊維が水分を吸収し、胃を物理的に膨らませる
- 消化速度の低下:ゲル状になった繊維が胃内容物の排出を遅らせる
- ホルモン分泌の調整:GLP-1やPYYなどの満腹感ホルモンの分泌を促進
食物繊維を摂った方がダイエットが続く?
※食物繊維摂取量を強制していないが少なくとも20 g/日を目標にしてねと参加者に伝えていました。
結果は?
1.食物繊維摂取量が1g増えると、体重が0.37kg多く減少している(p < 0.0001)
2.食物繊維の摂取目標20g/日を満たした人は、カロリー制限を遵守する可能性が2.94倍も高かった(p < 0.0001)
ちなみに、6ヶ月後の体重変化
・平均体重減少:7.27 ± 5.6 kg(99%信頼区間:-8.05 kg 〜 -6.48 kg)でした。結構痩せるんですね。
消化器系の悩みを解決を狙うなら悩みに合った食物繊維を選択しよう
便秘や下痢などの消化器系トラブルにも、食物繊維が役立つ可能性があります。
便秘解消には、不溶性食物繊維+水溶性食物繊維
- 不溶性繊維:便のかさを増やし、腸の蠕動運動を促進
- 水溶性繊維:水分を保持し、便を軟らかくする
下痢には、水溶性食物繊維
水溶性繊維は:
-
- 過剰な水分を吸収
- ゲル状になって便を形成しやすくする
腸内環境改善には、発酵性食物繊維
発酵性食物繊維は:
- 善玉菌の餌となる
- 短鎖脂肪酸を産生:腸粘膜の健康維持、免疫機能の調整に寄与
食物繊維は血糖値コントロールも助けてくれる
糖尿病予防や管理に関心がある方にとって、食物繊維は興味深い選択肢です。
血糖値上昇抑制のメカニズム
- 消化管内でのゲル形成:糖の吸収を遅らせる
- 消化酵素の活性阻害:炭水化物の分解を遅らせる
- インクレチンホルモンの分泌促進:インスリン分泌を刺激
水溶性食物繊維で2型糖尿病患者の空腹時血糖が10㎎/dlくらい下がる?
※食物繊維摂取量の中央値は10 g/日、介入期間の中央値は8週間でした。
結果は水溶性食物繊維の方が、混合型(水溶性+不溶性)よりも効果が高かった。
食物繊維サプリメントを使う場合のポイント
形状による特徴
- 粉末:
- メリット:飲み物に混ぜやすい、摂取量の調整が容易
- デメリット:味や食感が気になる場合も
- カプセル:
- メリット:味を気にせず摂取可能
- デメリット:大量摂取時に錠数が多くなる
- グミ・クッキー:
- メリット:摂取しやすい
- デメリット:糖分や添加物に注意が必要
使用上の注意点
- 段階的な増量:腹部不快感を避けるため、少量から始める
- 十分な水分摂取:最低240mlの水と共に摂取 ※食物繊維は水分を吸収するため、適切な水分摂取は機能を最大限に引き出すために大事!
ちなみに、みんなご存じイージーファイバーは水溶性食物繊維です。
まとめ
食物繊維は、コレステロール管理、血糖値コントロール、消化器系の健康維持など、多岐にわたる効果が期待できます。
健康な未来は、一人一人の小さな選択から始まります。食物繊維サプリメントが、あなたの健康生活の新たな味方になることを願っています!
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